リウマチの進行過程
骨と骨とをつなぐ関節は軟骨はクッション、関節液は潤滑油として、関節を滑らかに動かす役割を果たしています。また、関節液は滑膜(かつまく)でつくられます。
1. 最初は滑膜組織に炎症が起こります
滑膜は、薄い膜と軟らかな組織からできています。これらは滑膜組織とよばれ、関節を内側からくるんでいます。リウマチによる炎症は、この滑膜組織から始まり、しだいに軟骨や骨に影響がおよんでいきます。
2.炎症性サイトカインなどで症状が悪化していきます
リウマチの炎症が進行すると、滑膜組織から炎症性サイトカイン(炎症を起こす物質)や、中性プロテアーゼなどの酵素、活性酸素、一酸化窒素など、炎症を悪化させる物質が次々と生み出されるようになります。このうち、中性プロテアーゼは軟骨を壊すはたらきをします。
また、炎症性サイトカインは、骨を壊す役割をもつ破骨(はこつ)細胞のはたらきも活発化させます。壊れる骨の量が、日々新たにつくられる骨の量を上回ると、骨が壊れていってしまいます。
病気が1番めの滑膜組織にとどまっているうちに治療を始めれば、軟骨や骨が壊れるのを防ぐことも可能です。リウマチの早期発見・早期治療が大切な理由です。
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リウマチの検査
リウマチの検査の方法をご紹介します。
❶ 血沈
血液中の赤血球が、試験管の中を一定時間内にどれくらい沈んでいくかを調べます(赤血球沈降速度、赤沈)。これは、リウマチの炎症の度合い(活動性)をみる検査です。正常値は、1時間で男性が10mm以下、女性が20mm以下で、リウマチが悪化するにつれて値が進んでいきます。
❷ CRP
リウマチによる関節炎の程度を表すCRP(C反応性タンパク)の値を調べます。正常値は0.3mg/dL以下で、炎症が強いと10mg/dLを超えることもあります。
❸ 抗CCP抗体
環状シトルリン化ペプチド(CCP)とよばれる物質に対する抗体です。ごく早期のリウマチでも血液中にみられることから、早期診断に応用されています。この抗体が多くみられる患者さんは関節破壊の進行も早いため、メトトレキサートを始めとする強力な治療を行います。
❹ リウマトイド因子
リウマチでは、自分のからだの細胞や組織に対する抗体が生み出されます。その一つがリウマトイド因子で、この値が高いとリウマチ反応が陽性とされ、リウマチが疑われます。
ただし、リウマチ患者さんの約75% で陽性ですが、残りの25% は陰性です。また、肝硬変や慢性肝炎、結核のほか、まれに健康な人でも陽性になることもあり、リウマチ診断に絶対的なものではありません。リウマチの活動性の評価に使用されることもあります。
❺ マトリックスメタロプロテアーゼ3(MMP-3)
関節中の滑膜組織からつくられる酵素で、関節炎がひどくなると、その量はより増加します。リウマチ診断の補助に使われ、また治療薬の効果を調べるのに役立ちます。
❻ そのほかの検査値
リウマチの活動期には貧血(赤血球の減少)がみられます。また、血清総タンパクとアルブミン値も低下します。反対に、白血球と血小板数は増加し、グロブリン値、アルカリホスファターゼ値が上昇することもあります。
2. 尿検査
リウマチが長く続くと腎臓の機能が悪くなり、尿にタンパクが出ることがあります。尿検査は、薬の副作用や、ほかに発病した病気(合併症)のチェックもできる大切な検査です。
3. 骨や関節の画像検査
X 線検査では、骨が虫食いのように欠けたり(骨びらん)、関節のすき間が狭くなって骨同士がくっつく状態(強直(きょうちょく))などから、リウマチの進行度がわかります。
関節超音波検査は、リウマチの早期診断に使われます。また、個々の関節の炎症の程度を知ることもできます。
CT 検査は、首(頸椎)や太もも(大腿骨頭)の病変、間質性肺炎などをみるのに有効です。
MRI 検査では、骨の中で起こっている炎症や滑膜の増殖の度合い、骨びらんなどが早くからわかります。
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うつ病になり易い人 ストレス社会の中で
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