リウマチの患者様の関節保護の為の環境作り
関節の痛みや変形は、患者様の日々の生活の中で動作の反復によって進行したりします。個々のリウマチの患者さんがなりやすい変形を予防するために必要な関節保護の手段を患者さん自身が工夫し、日常生活で気をつけていくことが大切です。
例えば、指を小指側に捻る動作をなくすために、蛇口やドアノブに長柄のレバーを取り付けて回しやすくする、
ソファーとテレビの位置を変えて体や首が捻れた状態で見ないようにする、
荷物を運ぶ時には前腕で支えて持つ
などの動作を習慣付ける必要があります。また、関節リウマチでは、
頭を支える頸椎が亜脱臼を起こしていることがあり、その場合には枕の高さを低くする、
起き上がりの際などに首に負担をかけないようにゆっくりと行うこと、
などの注意が必要です。 関節リウマチは一生付き合う病気ですので、専門の医師や療法士の指導を受けて機能の低下をできるだけ抑えるようにしていくことが大切です
リウマチのリハビリテーションには、マッサージ療法、運動療法
リウマチのリハビリテーションには、マッサージ療法、運動療法、理学療法、作業療法、補助具を使った療法などがあります。
私達がお手伝い出来る事はマッサージ療法、運動療法です。これらでからだの機能を回復していきます。リウマチ体操は運動療法の基本で、毎日行うことが大切です。運動には、ストレスを軽くして免疫力を高め、関節が固まるのを予防する効果があります。無理のない範囲でからだを動かしましょう。
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リウマチの診断
症状や検査値などをもとに総合的に行います。
リウマチの診断は、症状ならびに血液やX線などの検査値をもとに総合的に行われます。
早期の診断方法として、アメリカリウマチ学会(ACR)/ヨーロッパリウマチ学会(EULAR)による分類基準が用いられています。
リウマチと似たような症状を起こす病気の変形性関節症で、指先の第一関節が硬く腫れ、中年過ぎの女性に多いこともあり、リウマチとよく間違われます。
男性に多い痛風は、足の親指などが腫れて痛みますが、ほかの関節に炎症が起こることはないため、リウマチと区別できます。
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リウマチの進行過程
骨と骨とをつなぐ関節は軟骨はクッション、関節液は潤滑油として、関節を滑らかに動かす役割を果たしています。また、関節液は滑膜(かつまく)でつくられます。
1. 最初は滑膜組織に炎症が起こります
滑膜は、薄い膜と軟らかな組織からできています。これらは滑膜組織とよばれ、関節を内側からくるんでいます。リウマチによる炎症は、この滑膜組織から始まり、しだいに軟骨や骨に影響がおよんでいきます。
2.炎症性サイトカインなどで症状が悪化していきます
リウマチの炎症が進行すると、滑膜組織から炎症性サイトカイン(炎症を起こす物質)や、中性プロテアーゼなどの酵素、活性酸素、一酸化窒素など、炎症を悪化させる物質が次々と生み出されるようになります。このうち、中性プロテアーゼは軟骨を壊すはたらきをします。
また、炎症性サイトカインは、骨を壊す役割をもつ破骨(はこつ)細胞のはたらきも活発化させます。壊れる骨の量が、日々新たにつくられる骨の量を上回ると、骨が壊れていってしまいます。
病気が1番めの滑膜組織にとどまっているうちに治療を始めれば、軟骨や骨が壊れるのを防ぐことも可能です。リウマチの早期発見・早期治療が大切な理由です。
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リウマチの検査
リウマチの検査の方法をご紹介します。
❶ 血沈
血液中の赤血球が、試験管の中を一定時間内にどれくらい沈んでいくかを調べます(赤血球沈降速度、赤沈)。これは、リウマチの炎症の度合い(活動性)をみる検査です。正常値は、1時間で男性が10mm以下、女性が20mm以下で、リウマチが悪化するにつれて値が進んでいきます。
❷ CRP
リウマチによる関節炎の程度を表すCRP(C反応性タンパク)の値を調べます。正常値は0.3mg/dL以下で、炎症が強いと10mg/dLを超えることもあります。
❸ 抗CCP抗体
環状シトルリン化ペプチド(CCP)とよばれる物質に対する抗体です。ごく早期のリウマチでも血液中にみられることから、早期診断に応用されています。この抗体が多くみられる患者さんは関節破壊の進行も早いため、メトトレキサートを始めとする強力な治療を行います。
❹ リウマトイド因子
リウマチでは、自分のからだの細胞や組織に対する抗体が生み出されます。その一つがリウマトイド因子で、この値が高いとリウマチ反応が陽性とされ、リウマチが疑われます。
ただし、リウマチ患者さんの約75% で陽性ですが、残りの25% は陰性です。また、肝硬変や慢性肝炎、結核のほか、まれに健康な人でも陽性になることもあり、リウマチ診断に絶対的なものではありません。リウマチの活動性の評価に使用されることもあります。
❺ マトリックスメタロプロテアーゼ3(MMP-3)
関節中の滑膜組織からつくられる酵素で、関節炎がひどくなると、その量はより増加します。リウマチ診断の補助に使われ、また治療薬の効果を調べるのに役立ちます。
❻ そのほかの検査値
リウマチの活動期には貧血(赤血球の減少)がみられます。また、血清総タンパクとアルブミン値も低下します。反対に、白血球と血小板数は増加し、グロブリン値、アルカリホスファターゼ値が上昇することもあります。
2. 尿検査
リウマチが長く続くと腎臓の機能が悪くなり、尿にタンパクが出ることがあります。尿検査は、薬の副作用や、ほかに発病した病気(合併症)のチェックもできる大切な検査です。
3. 骨や関節の画像検査
X 線検査では、骨が虫食いのように欠けたり(骨びらん)、関節のすき間が狭くなって骨同士がくっつく状態(強直(きょうちょく))などから、リウマチの進行度がわかります。
関節超音波検査は、リウマチの早期診断に使われます。また、個々の関節の炎症の程度を知ることもできます。
CT 検査は、首(頸椎)や太もも(大腿骨頭)の病変、間質性肺炎などをみるのに有効です。
MRI 検査では、骨の中で起こっている炎症や滑膜の増殖の度合い、骨びらんなどが早くからわかります。
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